SHUGO TOKUMARU × OGRE YOU ASSHOLE 緊急対談



オウガが5年後10年後にどうなるかっていうのをすごく知りたい。(トクマル)


 ―ここで是非トクマルさんから、オウガのニュー・アルバムの感想をじっくり聞いてみたいんですが。

:まだ聴き込めてないんだけど、すごく面白いよね。

:ありがとうございます。前作のときも、いち早く良いって言ってくれたし。周りの友達には理解するのに少し時間がかかった人も多かったみたい。

:ツアー中に(前作の)音源を貰って聴いて、うちのメンバーは大絶賛だったんだけど……なんでだろうね(笑)。まさかのサックスとか変な打ち込みとか、変なタイミングで入ってくる手拍子とか、一つ一つの驚きが面白かった。曲も……変だしね(笑)。現代のバンドが作るような音じゃないっていうか。

 ―その絶賛した前作を経て、新作はどうでしょう?

:まずオウガ的にどういう変化があったのか聞きたくて。前作からの続き的な感じなのか、それとも劇的に変えたのか。

:『homely』と同じようなものは作らない、っていうのは勿論あって。でも、もちろん連続性はあるんだけど、変わった部分といえば『homely』を作り終わったあとの手応えだったり、そのツアーで学んだことだったりがバンドの中で培われて、それを土壌に作曲したってところかな。

 ―バンド感が増してるようにも聴こえます。

:アレンジがね、色んな楽器がたくさん入ったりはしてないから、バンド感があるように聴こえるかも。

 ―あと『homely』でビックリして、ちょっと引いちゃった人たちにも新作はだいぶ聴きやすいんじゃないかとも思ったりしますが。

:でも“戻った”とは思われたくないんですよね。

:新譜資料に野田さん(野田努:音楽サイト「ele-king」主宰)が良いこと書いてましたね。

 ―お二人の共通の知人の方(某レーベル主宰/某定食屋さん店主)も、すごい褒めてましたよ。70年代くらいの邦楽シーンの人たちがやろうとしてた事を、いま一番いい形でやれてるって。

:そうそう、僕も“なんかどっかで聴いたことあるな”と思って。で、自分の持ってるCDとか昔の歌謡曲とか調べて聴き漁ったりして、微かな記憶を掘り起こそうとしたんだけど、無いんだよね。なんか、どこかの喫茶店を映した映像の中で流れてるBGMみたいな(笑)。いろんな表現はあるけど……昔の歌謡曲とかAORとかサイケとかプログレな感じも含めて、簡単に当てはまらない感じも面白い。

 ―なんか、海外のファンが“自慢されたい”日本のサイケって感じですかね。

:そうか~。最近は昔の音楽が好きで聴いてるけど、まんま出すんじゃなくて、ちゃんと現代のものとして聴けるのがいいなと思ってて。ただの焼き増しじゃなくて、いっかい自分たちの中で咀嚼して、その風味だけ出すみたいな。

:オウガがこういうことをやり続けた結果、5年後10年後にどうなるかっていうのをすごく知りたい気持ちはある。それは本当にすごい事なんじゃないかって。

:毎回クオリティを保ちつつ、カラーの違う作品を作るっていうのが2枚3枚と続くと、確かにしんどくはなってくるけどね。

:オウガは、バンドとして僕にはできないことをやってるからいいなって。僕は一人で好きにやれる状況でしかやってないから。

:ハプニングとか欲しいって思ったりしない?

:それはGELLERSのほうで出来てるから、自分の音楽ではハプニングは欲してない(笑)。なんていうか、それよりも自分の出来る範囲内で最大限やるっていう。だから“何かっぽく”聴こえないのは、全部一人でやっちゃってるからってだけで。複数のアイディアを自分の引き出しの中に入れておいて使ってるから、基本的にはオウガの作り方と同じなんだけど。それがバンドであるかそうじゃないか、ラフにやるかやらないか、どこまで緻密にやるのか……その違いだけかなと。僕の場合は“皆がやんないからやっちゃおう”っていう気持ちがすごいあって。

 ―なるほど。

:朝起きてミックス始めて、寝る直前まで作業して、みたいな感じを続けてる。だからオウガの音源とか聴いたりすると、すごく新鮮な気持ちになって「これ良いなぁ」って思ったりする。自分には出来ないことだし。

:トクマルくんの音楽はすごいキレイで、曲の最後まで緻密さが続くっていう安心感がある。でも僕らの音楽は下手したら“曲の途中で演奏が止まるんじゃないか”みたいなスリリングさもあって。今のPro Toolsとかで整理された音楽を聴き慣れたリスナーからしたら心地よくないのかもしれないけど、僕らはその歪さだったりが音楽の魅力みたいなものになってると思ってるから、そういう意味ではトクマルくんとは真逆だな、と思う。

:そのオウガの持ってる不安定感は、僕の場合はGELLERSのほうにすごい凝縮されてる(笑)。

 ―GELLERSは8割がハプニングですからね(笑)。逆に出戸さんはトクマルさんみたいに一人で演ってみたい、っていうのは無いんですか?

:今のところ無いですね。



インタビュー写真


New Release Information

トクマルシューゴ 「デコレイト」

2012年9月5日発売
CD:PCD-18681
¥1,000 (tax in)
01. Decorate
02. Video Killed The Radio Star
03. When I Fall In Love

ソノシート: P7-6036
¥1,000 (tax in)
01. Decorate
02. Video Killed The Radio Star
※ソノシートは収録分数の関係で、CD盤より1曲少ない計2曲の収録となります。再生にはレコード・プレイヤーが必要となります。

トクマルシューゴ new album「In Focus?」

2012年11月7日発売
【限定盤】
PCD-18688/9 ¥2,900(tax in)
★スペシャル・スリーブケース仕様
★トクマルシューゴ自身の演奏による、著作権フリーの99種/99トラックの楽器フレーズを収録したボーナスCD付き2CD仕様

【通常盤】
PCD-18690 ¥2,500(tax in)
★ジュエル・ケース1CD仕様
01. Circle
02. Katachi
03. Gamma
04. Decorate
05. Call
06. Mubyo
07. Poker
08. Ord Gate
09. Pah-Paka
10. Shirase
11. Tightrope
12. Helictite (LeSeMoDe)
13. Micro Guitar Music
14. Down Down
15. Balloon

※アルバム特設サイト
http://www.shugotokumaru.com/infocus/index.html

OGRE YOU ASSHOLE 5th Album『100年後』

2012年9月19日発売
VPCC-81747 ¥2,500 (tax in)
1.これから
2.夜の船
3.素敵な予感
4.100年後
5.すべて大丈夫
6.黒い窓
7.記憶に残らない
8.泡になって